2009年5月8日金曜日

第28回 二次口述試験対策 その①


今回は、二次口述試験対策と称して、診断士暗記研メンバーが作成した想定質問を、その回答例を掲載します。また、面接テクニックも末尾に記載していますので、準備にご活用ください。

口述試験は、回答内容の正誤を問うものではなく、診断士としての基本的な応対スキルが身についているかを評価するものです。「社会人」として恥ずかしくない応対ができていれば、まず落ちることはないはずです。本ポッドキャストをつかって、英会話方式で実際に問題を聞いた後に再生をとめて回答をしてみることで、本番に備えたアドリブ力を鍛えてください。

また、本番であがらないために、質問のパターンを想定しておくのも有効です。
口述の質問には、(1)二次筆記試験の問題内容に沿ったもの、(2)問題文に出てきた基本用語や基本概念について聞かれるもの、(3)問題文で出てきた用語について聞かれるもの、(4)その問題で取り上げた業界の特徴などについて聞かれるもの、などがあります。
特に知っていないとこらえられない(2)や(3)についてはテキストをチェックしておきましょう。
答えられない問題が出たときのかわし方なども練習しておきましょう。

二次口述試験対策 その①

事例Ⅰおよび事例Ⅱに関する想定質問と、その回答例です。

※番組では、問題編のみを配信しています!

もし回答例を見ずに解きたい方は、以下ネタバレになりますので要注意です。

~事例Ⅰ 組織の事例~

Q1.従業員満足の調査を行う上での留意点は?

A1.一つめとして、匿名性が確保され回答者が安心して率直に回答できること。二つめとして、質問が具体的で回答しやすい質問項目であること、三つめとして経営陣が結果を聞いた時に受け入れることができるということなどがあります。特に三つめのケースの場合、従業員調査を行っても、受け入れられず、その結果が会社に反映されず無駄になるということがあるので、最初の段階から意識づけをおこなうことが重要です。

Q2.人事評価における考課者が陥りやすいエラーについて教えて下さい。

A2.考課者が被考課者の大多数の者を標準的に評価しすぎる中央化傾向、評価が甘くなる寛大化傾向、特定の要素や特徴によって全体の評価が幻惑されるハロー効果、考課者が自分と比較して反対の特性をもつ日考課者を過大あるいは過少に評価してしまう対比誤差などがあります。

Q3.Xブランド、Yブランドそれぞれについて、ブランド認知度向上のための具体策を述べよ。

A3.Xブランドは平均単価が10万円を超える高級アクセサリーであるため、購入客は中高年層である。この高級イメージを重視した店舗作りや接客を行うとともに、高級服メーカーとのタイアップにより、服とアクセサリーとの高級デザインを演出する。これを顧客の誕生日や結婚記念日等のイベントに合わせてDMを送付するなど行う。
Yブランドは平均単価が3万円程度で、購入客は若者は中心である。若者向けにカジュアルな服のメーカーとタイアップして、若い女性タレントを起用してインターネットや若い女性雑誌等を通じて宣伝を行う。

Q4.一般的に輸入商品を販売することにおけるリスクを述べよ。

A4.為替リスク、輸入貿易の代金決済に対するリスク、相手国の情勢に左右されるリスク、石油の高騰に対するコスト増のリスク

Q5.社長はXブランド、Yブランドの他に大手国内ブランドを取り扱うかどうか迷っている。それについてアドバイスせよ。

A5.A社は輸入ブランドのイメージがあり、既存客もA社のそのブランドイメージを重視して購入していると思われる。ここで国内ブランドを取り扱うと、せっかく培ったA社のブランドイメージが損なわれてしまう。ゆえに、大手国内ブランドを取り扱うべきでない。

Q6.現在A社の直営店は都心の路面店1店舗のみであるが、社長は2店舗目の直営店を置くか迷っている。それについてアドバイスせよ。

A6.直営店はインストアショップに比べて独自の販売戦略や店舗運営が可能であるため、A社のブランド力強化の取組みや、他社に先駆けた情報発信等が行える。しかし、インストアショップのように大手ショッピングセンターの知名度を利用して集客を図ることが出来ないため、直営店でも十分な集客を見込むための、店舗の立地場所の十分な調査が必要である。


~事例Ⅱ マーケティングの事例~

Q1.B社の2店舗目を駅前商店街に置く場合、郊外にある現店舗と比べて、品揃え、サービスの点でどのようにすれば良いか。

A1.駅前商店街の新店舗の場合、郊外の現店舗と比べて店舗面積は大きくないと予想される。
よって、新店舗は専門的商品や新築用器具等に特化すると共に、施工請負、新築工事、リフォーム工事向けの提案サービスの拠点とする。
そこにない材料については郊外の現店舗を紹介し、顧客を現店舗にも誘導することにより、お互いの店舗同士でシナジーを発揮することが出来る。

Q2.B社の知名度、ブランド力を向上させるために考えられる、他のイベントは何が考えられるか。

A2.地元のお祭り等のイベントに出展する。例えば木工工芸展や、地元の神社等に飾りつけを行う。

Q3.B社が大手ホームセンターの進出に対抗するために品揃えを見直す際に、どのようなことに留意する必要がありますか?

A3.2つのことに留意する必要があります。1つは、既存の商品とのシナジーがあるかということです。相乗効果が見込める商品を新たに置くことにより売上拡大につなげることができます。次に、販売可能性についてです。品揃えを増やす商品が現在の顧客層に対しどのくらい売上の見込みがあるのかを見極める必要があります。

Q4.B社小売以外にリフォーム業者としてサービス業に本格参入することになった場合、サービス業のマーケティング戦略として、どのようなことを留意する必要がありますか。

A4.サービス業では、顧客に対し充分なサービス提供を行うには、顧客と直接接する従業員つまりコンタクトパーソネルの満足を高める必要があります。接客をする従業員に対し、B社は充分なインターナルマーケティングを行う必要があります。また、サービス業の特性として、無形性、非均一性、不可分性、需要の消滅性が上げられます。これらに対しても必要な対策を取ることが求められます。

Q5.B社がオリジナルブランド(プライベートブランド)の工具を販売する場合のメリットとデメリットを教えてください。また、効果的なPB商品のプロモーションの方策を教えて下さい。

A5.メリットとしては2点上げられます。1つは売上におけるマージンを高めることができること、次に、顧客が他店では手に入らない商品を購入し満足が得られた場合、ストアロイヤルティの向上につながることです。デメリットは2つ上げられます。在庫管理やプロモーションにコストが発生すること、過剰在庫を抱えるリスクが生じることの2点です。

   プロモーションの方策としては、2つあります。1つは木工教室や園芸教室の際にPB商品の商品を使うことです。次に、PB商品の工具については、貸し出し価格を他社製品よりも安くすることです。実際に試用する機会を多く設けることで、販売増加につなげます。

Q6.B社がインターネットを用いてストアロイヤルティを高める方策として、どのようなものが挙げられますか。具体的な方策を教えてください。

A6.方策は3つほどあります。一つはホームページを開設し、掲示板を設置し顧客間での情報   交換の場を設けます。例えば、園芸においては育成方法や病気になってしまった場合の対処法を教え合う場とします。次に、ホームページを通じて顧客を会員登録させ、登録時に入力したメールアドレス宛てにクーポン券などの配信を行います。顧客の属性に関するデータを入手し、品揃えなどに反映させます。3つ目は、DIYや園芸のポータルサイト化を行うことです。知識に長けた従業員に木工教室や園芸教室で行ったことを文書化しノウハウを顧客に伝えていきます。

面接テクニック集

 ・ゆっくり話す。はっきりと大きな声で話す。

 ・答えが思い浮かばない時は、質問を確認するなどして、時間を稼ぐ。

 ・どうしても答えが分からない時は、「持ち帰り調べまして、後日ご回答します」と答える

 ・面接官からの追加質問は相手からの助け舟。チャンスである。

 ・堂々して、相手を見る。

 ・ジャスチャーを交えて話すと良い。・・自分の癖を把握し、面接イメージを損なわないようにする(視線をきょろきょろする、貧乏ゆすりをする、あの~、え~)

 ・良い答えが浮かばなくても良いので何でも答える。すると、追加質問が来るので、それに対して答えると回答が軌道修正される。

 ・他社事例等の具体例を挙げて述べると良い。

 ・各社の模擬面接を受けて慣れると良い。


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